気密性能のC値とは?どのくらいが良い(第3種換気)?

住まいの環境

高断熱と高気密はあくまでもセットです。断熱性が良くても、気密性が悪ければ様々な問題が生じます。気密性が低いと、例えば高級ダウンを着ていてもファスナーが壊れていて締められず寒い状態になっているようなものです。

気密性能は、延床面積あたりの隙間の面積の割合で、相当すき間面積(C値)で表されます。もっと簡単に言えば、住宅にどのくらい隙間があるかを表しているのがC値です。

この気密性能が低いと、その隙間から空気が漏れて、適切に換気が行われません。換気が適切に行わなければ、部屋の中の悪い空気が漂い続けます。その他にも結露を防止する、防湿層の気密をしっかり取ることなど様々な理由があります。

C値を出すためには、「気密測定」という住宅現場での検査を行う必要がありますが、国の省エネ基準では、C値を測定する必要がないため、その重要性にも関わらずほとんど測定すらされていません。

また、大手住宅メーカーでも測定はしているようですが、一棟一棟現場でのバラつきが大きいため公表しないところがほとんどです。

このC値は小さいほど性能が良いのですが、断熱性能と同じくどのくらいが適正なのかを考えてみましょう。

気密性能のC値とは?どのくらいが良い(第3種換気)?

大手住宅メーカーの在来木造住宅だと、C値はおよそ2.0~2.6程度です。鉄骨系だと3.0以上と言われています。これらの住宅はほとんど床断熱になっています。

一方、気密住宅の施工に慣れている工務店であれば、基礎内断熱にしてC値1.0以下にするのは難しくありません。

これらC値の基準ですが、平成11年までの省エネ基準にはC値は項目に含まれていました。ただし、C値5.0以下(寒冷地は2.0以下)というとてつもなく低い値でした。それが平成25年基準では削除されています。

C値はどの程度必要なのか、まずは多くの大手ハウスメーカーで採用されている第3種換気方式で見てみましょう。

第3種換気方式C値
画像:Panasonicの24時間換気システムの説明より

この表のC値が 1の時、給気口から入る空気の割合は50%で、残りは隙間から入る空気であることを表しています。

何が問題になるかというと、換気にムラができるということです。よく言われているのが、1階は比較的に換気が出来ている状態に対して、2階部分は、隙間があるほど1階からの給気の割合が増えるため、自然給気口で給気にならず、排気が発生していることです。これはそのまま過剰換気につながります。

このように新鮮な空気は、換気扇から離れた部屋の給気口を通って入ってこないことが分かります。当たり前ですが、新鮮な空気は換気扇に近い給気口や住宅の隙間のみから入るため、空気の流れは局所的になり、常に換気されない部屋が出てしまいます。

このような第3種換気でのムラを減らすためには、気密性能を高めるか、各部屋に排気用の吸い込み口をつけるダクト式第3種換気という方式が効果的です。

C値について、まとめてみましたので各数値について見て行きましょう。

C値5.0 未満

省エネ基準とされてきた数値(寒冷地を除く)

C値2.0 未満

 

寒冷地の省エネ基準値

換気システムを機能させるために最低限必要とされる気密性能

第3種換気では計画換気はできていない

C値1.5 未満

ダクト排気第3種換気システムで必要となるレベル

C値1.0 未満

 

一般的な第3種換気システムで必要なレベル

高断熱住宅では、どの換気方式でもこの程度の気密性能が必要

カナダの省エネ住宅の基準R-2000がこのレベル

C値0.5 未満

 

夏に除湿、冬に加湿して、湿度管理をするための最低レベル

これより気密性能が劣っていると、計画外の換気や漏気の量が大きく、効果的に湿度をコントロールすることができない

これらを総合すると、第3種換気では最低1.0 未満を確保すること、排気ダクト第3種換気では、最低1.5程度必要になります。

また隙間が、乾燥収縮などの経年変化や地震の揺れで拡がっていくことを考えれば、できれば 0.5 を切れればベストになります。

隙間を少なくして気密性能を上げるためには

床下断熱より、基礎内断熱にすることで気密性は大きく改善されますが、費用を考えればなかなか難しいと思うので、少しの手間で気密性を上げる方法を紹介します。

その前にどこで隙間が発生しているのか確認しましょう。

次の図は、実際の住宅(次世代省エネ基準(H11)III地域の在来軸組工法でC値1.2)のすき間を部位ごとに測定したものです。

内部建材の化学物質放散が室内空気質に与える影響
引用:林基哉他「内部建材の化学物質放散が室内空気質に与える影響」日本建築学会環境系論文集 第573号 2003.11 p.63-69

このように隙間の多くは、コンセント周り、天井(天井と壁の取合部を含む)、開口部(ドア、窓)などで発生していることがわかります。

これらから分かるように、気流止め、開口部まわり、設備配管まわり、コンセントまわりなどの隙間を気密テープなどで処理するという「細部の気密処理」をしっかり行うことが大切になります。

よく見かけるのが、適切な気流止めが設置されていないことや、雑なエアコン取付工事によって大きく気密性が損なわれているケースがあるので、貫通部のウレタン断熱処理+パテ埋め、化粧カバー回りの防水処理には注意してください。

また、費用をかけずに気密測定するのであれば、断熱施工後のみでも構わないと思います。完成後はボートやクロスなど層が厚くなるため気密性能は上がることが多いですし、完成後だと断熱補強などの手直し作業が大変になります。

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