ドミニカ共和国では大雨で道路が冠水し、インドでは大気汚染が悪化するなど世界中で気候変動や大気汚染が深刻化する中、世界中の指導者は気候地獄へと突入するのではないかと強い危機感を示しています。
COP27(気候変動に関する国際会議)での警鐘
11月にエジプトで開催されていたCOP27(気候変動に関する国際会議)でグレーレス国連事務総長は「私たちは気候地獄への高速道路を突っ走っていおり、アクセルは踏みっぱなしである」と警告しています。
世界各地で、洪水、干ばつ、ハリケーンが日常的に現れる時代が来ると警鐘を鳴らし、世界中で気候変動の兆候が数多く確認されているため、気候変動対策のための行動をすることが必須であるとしています。
COP27の開催中にも、11月4日ドミニカ共和国サント・ドミンゴでは大雨で非常事態宣言がされ、インドニューデリーでは、大気汚染で真っ白になり、世界最悪のレベルの大気汚染が発生、インド洋のモディブでは予想不可能なモンスーンの変化により、高潮や洪水を引き起こして取り返しのつかない被害を与えているとし、海面上昇により国自体が水没する危機に面しています。
またイエメンでは、干ばつにより深刻な水不足により水を奪い合うことが、内戦の理由の一つになっています。一方でスペイン東部で11月12日大雨による大洪水が発生し、スペイン国立気象庁によると、例年に比べて海水温が3℃高かったため降水量の増加につながったとしています。
さらに11日に南米コロンビアでも豪雨で川が氾濫し、多くの住宅が浸水しています。コロンビアでは6日にも豪雨に襲われ、24時間以上の大雨が降り続き、COP27でコロンビア大統領が「降雨量が過去40年間で最も多くなっており、来年の4月まで続く可能性があり、我々は緊急事態にある」とコメントしました。
パキスタンでは今年6月からの豪雨によって各地で大規模の洪水が発生し、死者1700人以上、3300万人が被災しています。この豪雨の影響により国土の3分の1が水没し、パスキスタン大統領は「異常気象は人が引き起こした災厄であることが明白である」と訴えています。
このような異常気象によって西太平洋の島国であるパラオでは、温暖化による海面上昇により危機に面していると訴えています。COP27で大統領は「私たちは汚染物質を最も多く排出する国々に彼らが引き起こした損害の責任を取るように求める」とコメントしました。
このように気候変動は今、現実に起きており、温暖化の影響で海面が上昇し住む家を追われている現実があります。しかしCOPは1995年から毎年開催されているにも関わらず、25年以上温暖化の歯止めが効かない状態です。
その他の異常気象!?による被害
世界最大の活火山と知られるハワイ島マウナロア火山が11月27日に1984年以来38年ぶりに噴火しました。当時は麓の町ヒロまで約8kmの地点にまで溶岩流が迫りましたが、USGSは今後、溶岩流の進み方が急速に変化する恐れがあるとして警戒を地域住民に促しています。
一方で、イタリアのリゾート地であるイスキア島で大規模な土砂崩れが起きました。イスキア島はナポリから船で30分程度、美しい中世の城と天然温泉が湧き出る観光名所です。11月26日に発生した土石流で約30棟が流され、行方不明者多数、死者数7名が確認されています。土石流は山頂付近から山肌を削り麓の町へ、そして海まで流れ込んでいます。
島には火山もあり、建物を建てる土地が少なく、一方でホテルや施設が増える傾向がありました。2009年にも土砂崩れで亡くなった方がおり、建物を建てるため山を伐採し、土砂崩れにつながったのではないかと考えられています。
その他にも、アメリカ西海岸カリフォルニア州で、雪が降り積もる異常気象が発生し、南部のフロリダ州でもハリケーンが立て続けに発生し、強風被害や洪水被害が多発しています。
またインドネシアジャワ島では、11月18日に沿岸部でM6.9、21日にはジャワ島内陸部(チアンジュール県)でM5.6、最大震度メルカリ震度9(気象庁震度6弱、6強)が発生しました。
被害が大きかったのが21日の地震で、激しい揺れによる地盤災害により被害が拡大しています。
またインドネシアジャワ島のスメル山が12月4日に噴火し、活動が活発化してきており火砕流の発生の恐れがあるとしています。スメル山は去年の12月にも大規模噴火をして30名以上が亡くなっています。