もぐらが原因で家が傾く?地盤が沈下する原因

施工不良

ネットでは、もぐらが家の下を掘って傾くなんて言われていますが、まずそんなことはありません。

家が傾く原因の多くは地盤が徐々に沈下するからです。そして地盤が沈下して家が傾いた結果、その損害の責任を巡って裁判するケースが後を絶ちません。

「家を返して」涙の訴え・・・“地盤沈下”で傾く 福岡(2021年4月14日)

このケースでは、近隣での工事が原因で家が傾きました。家が傾く原因は様々あり、どのような原因が多くあるのか見てみましょう。

もぐらが原因で家が傾く?地盤が沈下する原因

地盤が沈下する原因は大きく分けて以下の2つ考えられます。

  • 軟弱地盤で沈下するか否かの判断が難しい
  • 近隣の工事の影響

軟弱地盤で沈下するか否かの判断が難しい

住宅を建てる前には、必ず地盤調査が行われます。そして地盤が弱ければ補強対策が行われます。

また、一般的には10年の地盤保証もあり、地盤会社が行った地盤調査および地盤補強工事に起因して住宅が不同沈下などにより損壊した場合、その損壊した建物および地盤の修復工事を保証してくれます。

しかし、軟弱地盤で沈むか沈まないかの判断は専門家でも難しいです。そもそも地盤は経験則にもとづいて判断することが多いからです。

例えば近隣の地盤調査では、問題なかったのでこちらも問題ないだろう、この土地の性質は過去のデータを参照すれば問題ないだろうなどを判断の根拠にします。

また、地盤を補強すればお金がかかることになるので、その費用負担をどうするのかが課題となるため、追加費用と沈下するリスクを天秤にかけて判断することになります。

因みに事実上、地盤調査が義務化されたのは平成12年(2000年)の法改正です。それ以前では、地盤調査していないケースもありうることが考えられます。

造成地の沈下には注意

軟弱地盤の中でも、特に造成地の沈下には注意する必要があります。軟弱地盤の造成工事では、盛り土で沈下を促進し、その収束を待ってから建物を建てることがあります。

しかし、沈下が収束したか否かの判断が難しく、建物完成後にトラブルが生じるケースが多くあります。

国土交通省:大規模盛土造成地マップ

また、このような沈下(専門的には圧密沈下という)では、比較的沈下がゆっくり進むため、建築後数十年経ってから家の傾きが気になりだすこともあります。

近隣の工事の影響

沈下の損害賠償を求めて裁判するケースが多いのが近隣工事の影響によるものです。冒頭のYoutubeのケースのように、工事を始めて地盤を掘削した近隣が沈下した、地下水を汲み上げたらお隣が沈んだ、お隣の新しい建物(RC造)や追加盛り土などの重量物によって沈んだ(お隣が反対に軽くなっても起こる)など、工事の振動によるものなど、様々なケースがあります。

そして問題になるのが、沈んだ理由が近隣工事によるものなのかどうかの因果関係です。特に古い建物で軟弱地盤に建てられている場合は、沈下の原因が直接工事にあるのか、そもそもその土地にあるのかどうかが争われます。

工事との因果関係の立証が難しい

軟弱な地盤であったにも関わらず、適切な地盤工事をしなかったため、住宅購入後、地盤沈下にともなって住宅が傾いた場合、修補するのに必要な費用が損害として認められる判例は多くあります。

しかし、裁判するにあたり工事との因果関係を立証することが難しいケースもあり、どこまで費用負担(復旧工事費、弁護士費用、慰謝料など)が認められるかは裁判しなければ分かりません。立証が難しく1/10の費用負担しか認められなかった事例もあります。

訴えの概要

近年の傾向

立証の難易度

隣地の工事によって自宅が傾いた

最も多い

困難(施工会社からの関係資料入手が難しい)

地震後に傾きに気づき、購入者が以前から傾いていたと主張

地震後に多い

少し困難

自宅が傾いたが、地震が原因と住宅会社が主張

地震後に多い

少し困難

これらの裁判は、結局のところ「地盤の中では何が起きているのか分からない」ことが紛争のきっかけになります。そのリスクを回避するための策をしっかりと講じることが大切になります。

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