住宅建築のネクストニューノーマル

その他

米国を中心に、建設テック企業への投資熱が高まっています。その背景にあるのが、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が、巨額の資金を投じて住宅の建設に乗り出しているからです。

米アマゾンは、不足している中低所得者層向け住宅供給に合計2万戸以上を整備する計画で、アップルはカルフォルニア州の住宅難の解消、フェイスブックや、グーグルもベイエリアでの巨額資金を投じることが明らかにしています。

各社が多額の資金を投じて整備を後押ししているのは、「アフォーダブル住宅」と呼ばれる、手ごろな価格の住宅です。アフォーダブル住宅は、都市部においての住宅価格の高騰が社会問題化したのをきっかけに、注目されるようになり、現在では重要な政策課題となっています。

その結果、多額の資金の投資先が住宅問題の解決を目指すスタートアップ企業になっています。これら企業の多くが、工場生産(モジュール化)、ロボット技術、AIを駆使して、効率的で費用対効果の高い生産プロセスによる住宅供給を目指しています。

工場生産(モジュール化)

Factory_OS

グーグルやフェイスブックなどが投資したFactory_OSでは、 「住宅は自動車のように建てられるべきだ」という理念の下、モジュール化した部材を工場で生産し、建設現場に運んで組み立てる方式を採用。同社は従来よりも4~5割早く、2~4割安く住宅を建設できるとしている。

Blokable(米)

モジュール式の戸建て・集合住宅を手掛ける。独自の建築システムとプラットフォームで住宅を安価に供給。

Connect Homes(米)

予算やライフスタイルに応じて15種類のプレハブ工法の戸建て住宅を、面倒な手続きを省き、手ごろな価格で提供する。

Cover(米)

モジュール化したデザイン性の高いプレハブ住宅を提供する。ウェブ上で住所を入力すると、どのくらいのボリュームの建築が可能か1分で提示。

Katerra(米) 

”より良い家を、より短い期間で建て、より手頃な値段で買えるようにしたい”するため、一つのプラットフォームを使って、建物を建てる際の全ての工程を自社で管理し、施工するサービス。設計から施工まで一気通貫して行える体制と仕組みを確立。oftbank Vision Fundより約900億円の出資を獲得。

建設3Dプリンター

ICON(米) 

ICONは建築許可を得て3Dプリンターで住宅を印刷した米国初の企業です。 同社が開発した建設3Dプリンター「Vulcan(バルカン)」は、平屋の住宅の印刷可能。

Mighty Buildings(米) 

紫外線で硬化する特殊な熱硬化性複合材料(LSM)を用い、大型3Dプリンターで住宅ユニットを印刷。手ごろな価格で住宅を提供する。

會澤高圧コンクリート(日本) 

スイスの産業用ロボット大手ABBのロボットアームをベースに、オランダのスタートアップ企業、Cybe Constructioが開発したものを使用。トイレの建設に当たっては、現場に機材を持ち込み、基礎の上に直接印刷する「オンサイトプリンティング」を採用。

プリントした中空の外装を型枠代わりとし、コンクリートを充填した。コンクリートは建築基準法の指定建築材料であるため、主要構造部などに特殊モルタルを使う場合は、国土交通大臣認定が必要なる。

その他

Bumblebee Spaces(米) 

家の中のスペースを確保しようと考え、天井に収納できる家具を専用のアプリで上下させる。 住人のライフスタイルをAIが学習し、出かける前にクローゼットを、暗くなるとベッドを、といった具合に必要なものを自動的に差し出してくれるようになる。

良品計画(日本)

良品計画(日本)
https://project.nikkeibp.co.jp/atcljsdj/entry/071600014/jisedai200822.pdf

家庭内に自律移動が可能なロボットを持ち込み、ロボットがセンサーやカメラで家具などを認識し、収納場所を記憶。音声で指示すると、家具を連結して移動させて空間をニーズに合わせて変化させる。

また、日本でも建設テックスタートアップが増加していますが、施工管理アプリやマッチングプラットフォームを提供するIT企業がほとんどです。

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