これからの住宅は「燃費」で性能を考えよう

住まいの環境

今、多くの工務店が生き残りをかけて「差別化して、特徴のある家づくりをしよう」という危機感を持ち、高性能住宅を作り始めています。

しかし、高断熱高気密住宅はにわか知識でやるとカビやハウスダストなどの問題を多発させる住宅になるため、しっかり知識のある住宅メーカーや工務店を探すべきです。しかし、どうやって見つけたら良いのかわからないという声をよく聞きます。

しっかりとした工務店を探すためには、私たちがまず基本知識を身に着ける必要があります。今回はその基本知識を学び、どのように探すかを考えましょう。

これからの住宅は「燃費」で性能を考えよう

「いい工務店」の探し方の結論は、以下の質問をしてみることです。

「住宅の気密測定はしていますか?」

「住宅の性能(温熱計算)を1つずつ計算していますか?」

例えば気密測定はしていなくても、コストを下げるため一棟一棟はしていない工務店もあります。そうであれば、なぜしていないのか、どのように気密性を確保しているのかなど、住宅の気密に対する知識と経験があればしっかりと答えてくれるはずです。

また、温熱計算で出される数字は、実は「燃費」のことです。自動車であれば当たり前に燃費については考えます。

しかし、車より高価で一生ローンを払い続ける住宅の、燃費性能を答えられないのであれば、にわか知識で住宅をつくっていると言われてもしょうがないはずです。

断熱性能をよくすれば快適な住宅をつくることはできますが、それだけ費用もかかります。例えば、断熱材や窓の性能を上げるだけで従来仕様よりは150万~200万円は上がるでしょう。

しかし、断熱性能の高い住宅は、小屋裏や床下にエアコンを1台あるいは2台を設置して全体を温める冷やすのが大きな流れです。

このように、ライフサイクルコストや健康維持を考えた場合にどちらが良いかは明確です

また、断熱性能指標のUA値(外皮平均熱貫流率)やQ値(熱損失係数)を言われてもイメージが湧きませんが、例えば「夏は冷房をつけずに室温が35度を上回らず、冬は暖房をつけずに13度を下回りません。」と言われれば、どんな感じの住宅か分かりやすいですはずです。

「断熱性能の基準」に騙されている

実は20年以上昔の1999年に定められた基準が「次世代省エネ基準」として、いまだに住宅業界では通用しています。しかも、この古い省エネ基準で作った家を「高断熱住宅」と呼んでいる住宅メーカーや工務店があります。

一方、高断熱高気密住宅というのは、エアコン1台もしくは2台だけで快適な空間をつくることができる住宅です。

このように、様々な「性能レベル」が混在しているために、消費者が間違えやすい状況が起こっています。

このように、日本では低い断熱性の基準が放置されているため、世界の基準と比較することが必要です。比較すべき基準は以下があります。

基準

概要

団体

パッシブハウス基準

世界で最も厳しい省エネ基準

ドイツパッシブハウス研究所

Q値1.0ハウス

熱損失係数(Q値)が「1.0」になるように目指す基準

一般社団法人新木造住宅技術研究協議会

HEAT20のG2レベル

東京で建てた場合、北海道の住宅における高断熱高気密の省エネ基準くらいの性能

2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会

 

HEAT20のG1レベル

2020年省エネ基準とG2レベルの中間

2020年省エネ基準

「外皮の断熱性能」に加え「一次エネルギー消費量」の2つのモノサシで評価

資源エネルギー庁

これらの基準をもとに、東北芸術工科大学竹内昌義教授は、各基準による住宅性能を比較しています。

性能比較表
表:独由来の高性能住宅と日本の省エネ住宅の著しい「格差」より

100平米(30坪)の家で見ると、年間に消費する18リットル灯油タンクは8.3本となっています。一方、日本の2020年省エネ基準(1999年基準)の住宅では55.6本も必要で、燃費にして約7倍の開きがあります。

この表の中で、竹内昌義教授は「高断熱高気密住宅」は、G2レベル以上の性能としています。理由としては、各階1台のエアコンで制御可能で、冬、寝る前に暖房を切っても、翌朝13度以下にはならないので、今までの家とはまったく違う暖かさを感じることを挙げています。

また、断熱性能だけで住宅をすべて評価するのではなく、「暖房負荷」で評価する必要があることも述べています。

なぜなら、断熱性能を上げるために、北海道のように大きな窓を小さくするのではなく、高温多湿な環境では、風通しがとても大切だからです。この数字が良ければ良いほど、使うエネルギーは少なくて済みます。さらに住宅の内部の環境もどんどんよくなります。

このように、UA値などが小さく断熱性能が良いといっても、それだけで冬暖かく夏涼しいとは判断できません。

断熱・気密性能が高い住宅は熱が逃げにくく、日射遮蔽などの工夫がなければ、夏場はかえって暑い家になってしまうこともあります。大切なのは日射取得や遮蔽、通風、蓄熱などを加味して温熱計算を行い、室温や光熱費などをシミュレーションする事です。

つまり、冒頭に述べたような「夏は冷房をつけずに室温が35度を上回らず、冬は暖房をつけずに13度を下回りません。」という快適な環境を設定して、それに必要なスペックを逆算し調整することで、ほんとうの意味での温熱計算ができます。

これから家の購入を考えている方は、ぜひ参考にして下さい。

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