ゼロエネというと、全くエネルギーを使わない、すごい住宅のように感じる方が多いと思います。しかし、省エネ住宅の必要スペックとしては最低基準だと考えた方が良いです。
住宅の省エネルギーは主に、「①断熱による暖冷房負荷低減」「②高効率設備による省エネ」「③太陽光発電などによる再生可能エネルギー活用」の3つに分けられます。
そもそも①求める断熱レベルは低く、②高効率設備を組み合わせた1次エネルギーの削減率も20%と小さく、その残った1次エネルギーを③の再生可能エネルギーで100%以上カバーすることで、めでたくZEH住宅となります。
しかも家電分のエネルギー消費を除外(暖房・冷房・換気・給湯・照明のみが対象)しているので、家電(その他)を合わせた住宅全体のエネルギーが賄えなくてもゼロエネになるし、 ちょっと省エネをがんばってPV(太陽光発電)を載せた、という程度でしかありません。
東京などの温暖地を想定した場合、外皮の断熱性を規定ギリギリのUA値0.6としたまま、暖冷房は高効率エアコン、潜熱回収型ガス給湯機(エコジョーズなど)と節湯水栓少々、照明は白熱灯以外としておけば、1次エネルギーは簡単に20%以上削減できます。
さらに間欠暖房を想定した温暖地では、①断熱を強化しても省エネ効果は限られている(PV容量も僅か減)ので、ゼロエネを主たる目的とすると、断熱性能は規定ギリギリにしておくのが最も経済的、という結論になってしまいます。
ZEH+(プラス)が基準になる!?
ZEH+では1次エネルギー削減量を25%以上に増やすだけでなく、「①外皮断熱の更なる強化」、太陽光発電の自家消費を増やすため、「②高度エネルギーマネージメントの導入」「③電気自動車(EV)充電用コンセントの設置」の3つの措置が求められています。このうち、2つは必ず導入しなければなりません。
ZEH+では『外皮強化型』が推奨されているので、高い断熱水準とされるHEAT20 G2とだいたい同じレベルになっています。
ZEHは高効率設備を入れるだけでよいと批判されていましたが、外皮性能(断熱)も改善されて健康・快適レベルの向上が期待されています。
BELS(ベルス)とは
省エネのラベリング制度にBELSがあります。BELS実施機関が省エネルギー性能を客観的に評価して、5段階の星マークで表示する制度です。
BELS(ベルス)は、建物の省エネ性能が1~5までの5段階で表示されます。省エネ基準を満たしている新築住宅は★★(星二つ)以上の格付けがつきます。
一般消費者にとっては、星印で性能を表示されているので、このラベルがついていれば省エネ能力が高いという判断材料になります。また、住宅メーカー独自の評価と比較して信頼性が高いという特徴があります。
なお、新築の建物だけではなく、既存の建物でも評価することが可能です。さらにZEHの表示も可能になります(BELSのZEH仕様)。
このBELSはゼロエネルギー住宅(ZEH)の補助金を申請する際の条件になっています。