京都南部で地震が多発するメカニズム

地震被害

京都南部でマグニチュード4以上の地震が2022年3月末から4回発生しており、気象庁はこの地域で地震活動が活発化しているとの見解を示しています。

京都南部の地震
読売新聞オンライン

気象庁によると、2022年3月31日、京都府亀岡市で震度4(M4.4)の地震が発生し、その後4月25日、4月30日、5月2日に震度3~4の地震が続けて起きています。震源の深さ12~14キロで比較的浅い震源位置となっています。

京都府南部はもともと地震が多いエリアであり、今回の震源近くには、京都府綾部市から大阪府島本町につながる「三峠(みとけ)・京都西山断層帯」があります。この断層帯周辺では、1968年には最大震度4(M5.6)、1999年にはM4以上の地震が続いたことがあります。今回の地震と同じく、同規模の地震が続いていることが特徴になります。

なぜ京都南部で地震が頻発しているのか

これらの地域の地震について、京都大学防災研究所飯尾教授によると地下水の影響が大きいのではないかと予測しています。

地震は地球の表面を覆うプレートの入り組みなどで生じた岩盤のずれによって発生します。太平洋沖から潜り込むフィリピンプレートから水が浸み上がり、この水が岩盤にかかる力に影響して京都周辺の広いエリアで地震が起こると考えられています。

水が岩盤に影響
ABCテレビニュース/youtube

そしてこの水が浸み上がる仕組みが有馬温泉の湯です。マントル近くで温められた水の一部が有馬で噴き出していると考えられています。一般的な温泉は雨水が火山近くで温められたものですが、フィリピン海プレートが深さ50kmで吐き出した水の成分が有馬温泉の成分に含まれています。火山のない関西で温泉が噴き出るのはこのような仕組みがあるからです。

有馬温泉
ABCテレビニュース/youtube

過去の地震記録では、1185年(M7.4)の近江地震や、1995年兵庫県南部地震(M7.3)のように浅い位置で発生する地震、1952年吉野地震(M6.7、深さ約60km)のように沈み込んだフィリピン海プレート内で発生する地震、そして南海トラフ沿いで発生する地震によっても京都府内で被害が生じたことがあります。さらに日本海に面した京都府北部では、1983年日本海中部地震」(M7.7)など日本海で発生する地震によって、津波による被害を受けたことがあります。
このように様々な地震があり、京都・亀岡盆地や、木津川・宇治川流域に沿った地域ででは地盤が軟弱なため、周辺より揺れが強くなる可能性があります。

いずれにせよ、同じ程度の規模の地震に注意するよう呼びかけられているため注意が必要です。

京都府に被害を及ぼした主な地震リスト

地震本部/京都府の地震活動の特徴
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