福島沖地震の住宅被害は全壊が24棟

地震被害

福島県沖で2021年2月13日午後11時7分に福島県沖で発生したマグニチュード7.3の地震は、福島県国見町、相馬市、新地町と宮城県蔵王町で最大震度6強を観測しました。

推計震度分布
図左:気象庁「推計震度分布」

これらの地域は、政府地震調査委員会が、東北から関東の沖合にかけての「日本海溝」沿いのプレートで、今後30年以内にマグニチュード7から7.5程度の大地震が最大で90%程度以上の確率で発生すると評価していました。

大地震が最大で90%程度以上の確率で発生
NHKWEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210214/k10012866011000.html

防災科学技術研究所の平田氏のコメントによると、この地震はプレートの境界部分で起きる大地震とは違うメカニズムのため、今後30年以内に「日本海溝」沿いのプレートの境界部分で起きる大地震の確率は、これまでと変わらず、最大で90%程度以上の状態が続くということです。

スラブ内地震
NHKWEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210214/k10012866011000.html

このように、政府地震調査委員会で評価の対象としているのは、あくまでプレート境界部分での地震なので、今回の地震のような地震(専門的にはスラブ内地震)は評価の対象となっていないことを理解しておく必要があります。

気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

この地震による最大震度6強で住宅被害は全壊が24棟、半壊が67棟、一部損壊が4538棟となっています(総務省消防庁2月25日時点)。

現時点では屋根瓦の落下や壁の剝落などが被害が98%を占めています。震度6強と聞くと相当の住宅被害が出たのでないかと思うかもしれませんが、このように全壊や半壊が少ない状況になっています。

国の住宅再建支援制度には「被災者生活再建支援法」と「災害救助法に基づく応急修理」の2つがあります。

前者は、損害割合が30~40%未満になる中規模半壊以上を対象に最大300万円を支給し、後者の災害救助法の応急修理は10%以上20%未満となる準半壊以上が対象となり、最大59万5千円を補助します。

しかし、福島、宮城の住宅被害のうち、全壊は24棟、半壊は67棟。4538棟の多くが損害10%未満とみられており、国の支援対象外となる可能性があります。

福島沖地震の住宅被害は全壊が24棟

まず、震央から西に84km離れた宮城県山元町にあるKiK-netの観測点を見てみると、地表面で南北方向に最大1426ガル、東西方向に同1076ガル、上下方向に同375ガルの加速度を記録しています。

KiK-netの観測点
https://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/topics/html20210213230748/main_20210213230748.html

観測点の中で最も大きい最大加速度1432gal(三成分合成値)は、阪神淡路大震災の891gal(三成分合成値)に比べて1.6倍です。

しかし、加速度や速度の応答スペクトルを見ると、いずれも0.5秒以下の成分が卓越していました。

加速度
https://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/topics/html20210213230748/main_20210213230748.html

1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、1秒から2秒の周期による地震動で建物への被害が大きくなりました。

他にも、新潟県中越地震及び新潟県中越沖地震も周期1秒から2秒の地震動が観測されています。

この1秒から2秒の地震動は、やや短周期地震動と呼ばれており、比較的低層の建物に大きな被害を及ぼしやすく、「キラーパルス」といいます。

このように家屋に倒壊などの被害をもたらしやすいのは、周期1-2秒の成分のため、この成分が小さかったことから、被害が少なくなったと考えられます。

同様に2011年東日本大震災においても、地震の震度の割に大きな被害を受けた建物は比較的少なくなりました。この理由も同じく、周期は1秒以下の短周期が主成分となっていたため、キラーパルスの成分は少なかったからです。

ただし、周期1秒以下の成分は、1秒以下の周期の揺れは人が感じやすく、家具やブロック塀の転倒、屋根瓦のずれなどの小さな構造物などに被害を招きやすくなっています。

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