地震予知・予測は当たる?

地震被害

近い将来に起こる可能性が高い大規模地震は、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震です。その中でも、南海トラフ地震と首都直下地震の、今後30年以内に発生する確率は70%と予想されています。

http://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/jishin.html

また、日本の直近の状況でも、昨年、2021年4月と10月に、マグニチュード5.5以上の深層地震が5回以上連続発生し、同じく8月には小笠原諸島で大規模な火山活動が起きました。さらに9月には、東海沖でマグニチュード5.8の地震が発生、また同29日に石川県日本海沖でマグニチュード6.1の深発地震が発生しています。

地震予知・予測の歴史

日本で地震に関して、公表した予知・予測はありません。地震研究の目的は、国内経済に混乱をきたさないために行われており、今まで国内外で地震予知・予測が当たったということはありません。

地震予知・予測が当たらない最大の原因は、地球の地下内部構造が、明らかになっていないからです。例えば、北米プレートとユーラシアプレートの境目は実ははっきり分かっていません。さらにマントルや地殻の動きも捉えきれておらず、活断層帯調査でも、地層の断面すら、数百年くらいの誤差があります。さらにそもそも一般的な常識となったプレートテクトニクス説以外にも、全く別の熱移送説という学説が注目されています。

こういった背景には、日本にプレート説を紹介した上田東大名誉教授によって、そのプレート説が成り立たないことが証明されており、マントルが対流することで生じる摩擦力で重たいプレートを動かすことができないとして、この学説を否定する立場をとっています。このようにプレート説に基づく地震予知や予測の方法論は全く当てにならない現状があります。

プレート説による地震

プレート説による地震の発生?とは言いつつも、これに代わる学説もないので知っていて損ではありません。プレート説による地震は地下で起きる岩盤のズレにより発生します。なぜ岩盤のズレが生じるのかは、地球は中心から核、マントル、地殻という構造になっていて、地殻と上部マントルは硬い板状の岩盤となっておりこれをプレートと呼んでいます。このプレートが、地球内部で対流しているマントルの上で少しずつ動くため、プレート同士がぶつかったり、沈み込んだりして、地震が発生します。ただし、すべての地震がこの境界で生じているのではありません。

プレート説による地震
https://www.jishin.go.jp/resource/column/column_18aut_p08/

熱移送説による地震

熱移送説は、地震を発生させるエネルギーを熱と考え、火山の噴火のように地震が生じているとします。確かに火山の多い日本のような国で地震が多く発生しているので辻褄が合うのかもしれません。地下の熱エネルギーが多ければ地震が発生しやすいというのは、1986年に米国地質調査所でマントルトモグラフィーを用いた地球内部の温度分布図によると地下3千キロから地球の表面に向かって約6千度の熱エネルギーが上昇していることが分かりました。

その上昇したエネルギーのルートがアジアでは3つあり、日本に向けてフィリピンからマリアナ諸島へ向かい、そして伊豆諸島を経由して伊豆方面と東北地方沿岸へ流れるルート(MJルート)があります。つまり熱移送説によると、インドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、日本で火山の噴火や地震が起きるかが推測できると考えられています。

この説が注目されるようになったのは、2006年の震度7を2回連続で引き起こした熊本地震です。プレート地震では、岩盤の歪みが解放されるとエネルギーが放出されるというのが常識でしたが、2回目の本震の方がエネルギーの解放が大きくなり、地震が大きかったという事実があります。そのためプレート説で歪みが溜まるということに疑問が生じたわけなのです。そもそも今の観測技術では、この歪みがどの程度のエネルギー量を持っているのかは判断できません。

都市伝説の人工地震兵器?

いずれの学説も研究・分析が十分とは言えない仮説に過ぎません。実は熱移動説は1960年代後半には定説になりつつあったのですが、各国の人工地震開発?という時代背景とリンクするような形で、米国からプレート説が導入されて、やがて熱移動説は衰退していきました。プレート説でなく、熱移動説が定説になると困る人たちがいたのか、そして熱エネルギーで人口地震が起こすことが可能なのかは不確かですが、こうした背景が都市伝説にも取り上げられている理由になっています。

また人口地震については、1961年にアメリカで工場廃液のために深さ3671メートルまで掘削して廃棄したところ、それ以降地震が多発するようになったことから研究が進められたと言われています。廃液を地下に注入(約62万m3)したことで地下の圧力が高められ、解放されたことで地震に繋がったと考えられています。このような圧力注入による地震は、1965年長野県でも地球物理学の観測の実験で水圧を上昇させることで地震の誘発を調査する目的で行われ、約2年間で5万回以上の地震が観測されています。こういったことがあり、自然界の現象を故意に改変、軍事利用することを禁止する条約が1987年に世界各国で締結されています。

また、最も有名な人口地震を起こす兵器がHAARP(高周波オーロラ発生プログラム)です。開発された目的は、地球の電離層と地球近傍の宇宙環境で発生する自然現象を探求し、理解することとされています。実際には、テスラコイルと呼ばれる電磁波発生装置から発生する高出力の高周波を地層に照射して、水分を蒸発、爆発させることで地震を起こさせることが可能であると言われています。

いずれにせよ、プレート説だけでは地震のメカニズムのすべてを証明することも難しいし、熱移動説でも説明しきれない現象が世の中にあることは確かです。

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