3月16日午後11時36分頃、宮城県と福島県で震度6強(マグニチュード7.4)の揺れを観測する地震がありました。震源深さが57キロと深かったので、広範囲で揺れが観測されています。
気象庁は記者会見の中で、日本列島が乗る陸側のプレートの下に沈み込んでいる太平洋プレートの内部で発生したとの見解を明らかしています。宮城県と聞いて、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震を思い返す方もいたと思いますが、東北地方太平洋沖地震は深さ約24キロと浅いプレートの境界面で発生しており、そのメカニズムは違うものとなっています。
同じメカニズムの地震は、昨年2021年2月13日に同様の震源付近で起きており、最大震度6強(M7.3)で、同じ逆断層型のプレート内部で起きています。
東京大地震研究所古村教授によると、この地震が起きた地域では、約40年に1回の頻度でM7程度の地震が繰り返されており、それに加えて東北地方太平洋沖地震の余震も活発になっているため、注意が必要と呼び掛けています。
次の巨大地震はいつ起こる?
政府の地震調査研究推進本部は、日本海溝で沈み込んだプレート内部で発生する地震について、今後30年以内にM7~7・5の地震が発生する確率を60~70%としていました。しかしながら同じようなメカニズムの地震が相次いでいるため、実際の確率はもっと高い可能性があります。
政府の地震調査委員会では2019年2月に東北地方太平洋沖地震が起きた日本海溝での、今後の地震活動を予測した新たな長期評価を公表しています。
30年以内に90%の高い確率で、宮城県沖でマグニチュード7級の大地震が起きるとし、青森県沖などでもM8級の巨大地震を想定しています。
これらの地域では津波を伴う大地震が繰り返し起きています。例えば宮城県沖では38年ごとに発生するM7.4前後の宮城県沖地震などがあります。
また内閣府では2021年12月には、北海道から東北地方太平洋沖にある日本海溝と千島海溝沿いで巨大地震が起きた際の被害想定をまとめて公表しています。公表では、最悪の場合死者は千島海溝で10万人、日本海溝で19万9000人に達するなどとしています。
この地震被害の根拠となっているのが、津波によって運ばれた土砂などの津波堆積物調査です。これらの地域では、前回の巨大地震からおよそ400年程度経ち、地震の切迫性が高くなっています。
しっかり対策をして被害の軽減
千島海溝と日本海溝共に、地震から10分ほどで避難を始めることで、犠牲者数を80%減らすことが可能であると推計されています。避難先をどこにするのか、避難にあたりどのようなリスクがあるのかを改めて確認する必要があります。