鹿児島群発地震と南海トラフ地震との関連性(都市伝説も分析)

地震被害

2021年12月鹿児島県のトカラ列島近海で震度1以上の地震が280回を超え、9日には震度5強を観測(十島村悪石島)しました。

鹿児島県十島村で震度5強
鹿児島県十島村で震度5強を観測した地震(気象庁ホームページより)

過去2000年10月2日に最大震度5強、同月5弱が2回記録しており、この地域は群発地震が多くある地域です。2021年4月にも震度4を5回観測しています。

トカラ列島周辺は日本でも有数の火山密集地帯ですが、上記の地震は震源が深さ20kmぐらいのため、火山噴火が関係する地震ではないと考えられます。その場合は、フィリピン海プレートが沈み込み地点でもあるので南海トラフ地震との関係も心配になります。

南海トラフ地震との関係を考える前に、少し南海トラフ地震について復習してみましょう。

南海トラフ地震

政府の地震調査委員会は、今後30年以内に南海トラフ地震が起きる確率について80%(2019年)とし、年々その確率の見直しが行われています。

国の被害想定によると、津波と建物の倒壊、火災などで、最悪の場合、全国でおよそ32万3,000人が死亡し、238万棟余りの建物が全壊や焼失するおそれがあるほか、避難者の数は、地震発生から1週間で最大950万人に上るなど影響が長期化するとしています。

フィリピン海プレート
気象庁ホームページより

この南海トラフ沿いのプレート境界では、フィリピン海プレートが陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に1年あたり数cmの速度で一定の割合で沈み込んでいます。

ひずみが蓄積
気象庁ホームページより

その際、プレートの境界が強く固着して、陸側のプレートが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達して跳ね上がることで発生する地震が「南海トラフ地震」です。

このひずみ蓄積→解放は規則性があるため、今後30年以内に東海地震、東南海地震、南海地震が連動する可能性が指摘されています。

過去の南海トラフで起きた地震記録を見ても3回に1回に大きな地震になっています。

年代繰り返し起きた地震前回との地震の間隔
684年白鳳地震
887年仁和地震203年
1096年永長東海地震209年
1361年 正平地震262年
1498年 明応地震137年
1605年慶長地震107年
1707年 宝永地震102年
1854年 安政地震147年
1944年/1946年 昭和南海地震92年

南海トラフでは、およそ90年から200年の間隔で、マグニチュード8クラスの巨大地震が繰り返し発生しています。

そして最後に起きたのは、1946年に四国など広い範囲に大きな被害をもたらしたマグニチュード8.0の昭和南海地震でした。

また、南海トラフ地震が起きる40〜70年前から内陸部で地震多発することも確認されています。1995年の兵庫県南部地震から日本列島は地震活動期に入っているという見方もあります。

  • 1995年 兵庫県南部地震
  • 2004年 新潟県中越地震
  • 2005年 福岡県西方沖地震
  • 2008年 岩手・宮城内陸地震
  • 2016年 熊本地震
  • 2018年 大阪府北部地震

これらから2038年、遅くとも2050年までには南海トラフ地震が起きると考えられています。

鹿児島群発地震と南海トラフ地震との関連性

専門家の中に、今回の群発地震と南海トラフ地震との関連性を指摘する研究者もいます。

トカラ列島を含む南西諸島には、フィリピン海プレートが琉球海溝から沈み込んでいます。そのためフィリピン海プレートの沈み込みの伴う海溝型地震は当然ながら琉球海溝でも起きる可能性があります。

この琉球海溝は、鹿児島県沖から台湾までの長さ千キロ以上あります。この地域は地震活動は活発ですが、島が点在する地域のため観測点が限られ、正確な震源やメカニズムを把握しにくくなっています。

そのため地震の発生間隔を調べるのに役立つ歴史記録も乏しく、大地震の発生確率を不明としている地域です。

謎多き海溝
謎に包まれていた南西諸島海溝の地震、大津波の起きやすさに地域差 プレート境界の解明進む
https://www.sankei.com/article/20160829-YINIWYGAVNPOZJXSPURTAOGVKQ/

今回の群発地震は震源の深さ20kmの横ずれ断層型の地震が起きていることから、海溝型地震ではなく、いわゆる直下型地震と考えられます。ただし、このような直下型地震と海溝型地震の因果関係は、科学的には認められていません。

都市伝説を分析

2025年7月日本とフィリピンの中間あたりの海底が、突然隆起して、その衝撃で津波が起こり、その周辺国へ甚大な被害が生じる。そのような予知夢を公表したある有名な方がいます。信じるか信じないかは人それぞれですが、実際に現象としてありうることです。

例えば、喜界島はフィリピン海プレートの潜り込みによって約12万年前に海底から島として現れたと見られ、現在もプレートの影響を受けて年間約2mmで隆起を続けている島です。そのため地面の隆起は、世界で2番目といわれる速さで12万年の間に200m隆起しました。

喜界島
wikiより

沖縄から台湾にあるいくつかの島は、フィリピン海プレートの上にあったと考えられ、フィリピン海プレート北上してきた島群です。

このように都市伝説?かもしれないけど、実際にはそういうこともあるのが多くの人を魅了する理由でしょう。

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