大地震による住宅の倒壊はシロアリが原因?

木造住宅

1995年 に発生した、淡路島北淡町野島断層を震源とする震度7(マグニチュード7.3)の大地震(兵庫県南部地震)では、死者6,434名、重軽傷者43,792名。全半壊家屋274,181棟。焼失家屋7,483棟、避難者約35万人、出火件数285件の甚大な被害をもたらしました。

地震当日に死亡した5,175名の内、圧死・窒息が4,059名、熱死・熱傷が488名、体の損傷が337名となっており、実にその9割の方々が倒壊した住宅や家具などの下敷きとなる「圧死」であったとされています(厚生省大臣官房統計情報部「人口動態統計からみた阪神・淡路大震災による死亡の状況」)。

その後、震度7と判定された兵庫県神戸市東灘区での調査では、全壊家屋の約8割には、蟻害・腐朽が確認され、シロアリや腐朽によって耐震性が著しく低下していたことが分かっています。

阪神・淡路大震災とシロアリ被害
写真・図:公益社団法人日本しろあり対策協会「阪神・淡路大震災とシロアリ被害」

「シロアリ被害・腐朽あり」とされた家屋の9割が全壊しているのに対し、「シロアリ被害・腐朽なし」の家屋での全壊は約2割のみ、さらに5割以上の住宅が軽微な被害と被災を免れています。

2016年の熊本地震でも全壊した家屋の主な原因がシロアリ被害であった家屋が確認されています。

大地震による住宅の倒壊はシロアリが原因?

被害を受けた住宅にみられた腐れやシロアリ被害は、土台、柱の下部、モルタル壁内の柱や木ずり等の劣化です。

土台と柱の接合部が腐って断面がほんど欠損、あるいは柱と木ずりの釘打ち部が腐って接合耐力をまったく期待できない状態のものが多く認められました。

シロアリが好んで食べる部分
図:株式会社友清白蟻「地震とシロアリの関係」

シロアリは1階の柱と土台の継ぎ目を集中的に食べるため、上屋と基礎をつなぐ機能を損傷させます。このように住宅の足腰が弱くなるため、耐震性を極端に低下させてしまいます。

住宅の部位別にみた腐朽の発生箇所は、いずれも従来から防腐対策上留意すべきポイントとして指摘されてきたところで、外壁の隅柱、土台、柱脚、風呂場、水廻り部分等々です。

特に外壁サイディングが普及する以前(1995年程度)のモルタル壁の木造住宅では、長期的には割れが入ることが避けられず、防水紙が貼ってあっても、内部に入った水が長期間滞留して腐れを助長したと考えられています。

外壁モルタルにカビがある住宅
写真:外壁モルタルにカビがある住宅

その他、モルタルや金属板など外装材に覆われている木材に、樋の破損や窓台あるいは庇などの雨仕舞の悪さがもとで供給された水分が、乾かずに腐朽を引き起こしたと考えられる例が多かったとしています。

このような中古住宅を購入される時には、注意が必要です。

防蟻処理だけではシロアリ被害は避けれない?

防腐防蟻剤の持続効果は短く、平成13年の日本しろあり対策協会通達では 「薬剤の持続効果は最大で5年間」「5年を目処に再処理を行う」などの旨が確認されています。

つまり、5年毎に再処理することを前提に使用されている防腐防蟻剤ですが、 現実には断熱材が詰まった壁内部の柱や筋交いの処理や、土台は基礎内側の露出している1面しか再処理することが出来ません。

再処理できない部分
図:ウェルネストホーム「シロアリ対策の誤解②「防腐薬剤は無敵」」より

床下など再処理が可能な場所であっても疎かになっています。 一般に防腐防蟻に対する関心は低く、住宅の引渡し時に再処理の説明を受けないケースもあります。

また、一般的に薬剤塗布の目安とされている「地面からの高さ1m(GL1m)」をはるかに超えた3mの高さでも数多くのシロアリ被害が確認されています。

木造住宅の解体調査
図:ハウスカードシステム「木造住宅の解体調査」より

この調査では築30年以降、シロアリや腐朽が多く確認されています。以前のブログでは、築15年から被害率が大きくなり、25年~29年の住宅においては4割弱の割合で被害が発生していました。

このように、一般的なシロアリ対策では、住宅を守ることが難しいということができます。

早期発見と予防が何よりも肝要

シロアリを気付いた時には被害が相当進行していることが多く、地震などによる建物倒壊の原因になりかねません。

大切な住まいをシロアリ被害から守るためには、定期的なシロアリ検査を行い、その被害をできるだけ早く発見して退治することです。

また、築20年以上の中古木造住宅を購入される場合は、なんらかのシロアリ被害を受けている可能性があります。

買付申込をする前に「建物状況調査(インスペクション)」をして、蟻道がないか確認し、疑いがあれば別途シロアリ調査をすることをお勧めします。

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