【2021年全国地震予想地図】地震ハザードステーションの見方を解説!地震が起きる確率とその注意点、地盤のゆれやすさを確認

地震ハザードマップ

全国各地で、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した、最新の予測地図が公表されました。

古くは2014年12月に「全国地震動予測地図2014年版~全国の地震動ハザードを概観して~」を公表し、その後2019年2月には「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」、2020年1月には「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」が公表されていました。

この日本海溝沿いのプレート間巨大地震や南海トラフ沿いで発生する大地震などを考慮したものが「全国地震動予測地図2020年版」です。

特に激しい揺れの確率が70%以上の海溝型の巨大地震が懸念される地域は以下になります。

NHK NEWSWEB 「30年以内に震度6弱以上の確率 全国各地の最新予測地図を公表」

関東圏では、

▽さいたま市で60%と5ポイント上昇

▽千葉市では62%と23ポイント減少

▽横浜市では38%と13ポイント減り

ちなみに、公表にあたり地震動予測地図を見るときの注意点が挙げられています。

日本は世界的に見ると地震により大きな揺れに見舞われる危険性が非常に高く、過去200年間に国内で大きな被害を出した地震を調べると、平均して海溝型地震は20年に1回程度、陸域の浅い地震は10年に1回程度起きています。このため、自分の地域で最近地震が起きていないからといって安心はできません。日本国内で相対的に確率が低い地域でも、油断は禁物です。そのような地域でも、1983年日本海中部地震(M7.7)や2005年の福岡県西方沖の地震(M7.0)、2007年能登半島地震(M6.9) のように、大きな地震が発生し、強い揺れに見舞われて大きな被害が生じました。1995年兵庫県南部地震(M7.3)や2016年熊本地震(M7.3)での強い揺れは、確率が比較的高いところに対応していると言えますが、直近には大地震が起きていなかった場所で発生しました。

政府地震本部「全国地震動予測地図2020年版

ハザードマップを確認することの理由は2つあります。

ハザードマップを見て周辺の災害リスクを事前に把握して住まいを選ぶ、もしくは建物にきちんと対策が施されているか確認する。

避難勧告があった時(想定も含めて)、具体的な避難場所や避難経路を確認し、避難行動に活かす。

しかしながら、地震のハザードマップを調べる場合だけでも、4つのものがあります。

それぞれをどのように見て、何を考えればよいかを確認していきましょう。

地震ハザードステーション(全国地震動予測地図/防災科学技術研究所)

全国で今後30年以内(2014年から)に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性の高い地域を調べことができます。

下記リンク先のスタートボタンを押して「J-SHIS map」を起動してみます。

30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率

いろいろ画面に設定がありますが、基本いじらなくてもよいです。想定する地域に合わせて画面を拡大してください(右の図は関東地域に合わせて拡大しました)。

最初の画面で見てほしいのは、画面右下にあるグラフです。

30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率グラフ

これは30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が0.1%、3%、6%、26%であること、それぞれ大まかには約30,000年、約1,000年、約500年、約100年に1回程度、震度6弱以上の揺れに見舞われることを示しています。

このように場所によって強い揺れに見舞われる可能性が相対的に高いところ(濃い赤色)から低いところ(黄色)があることがわかります。

例えば、同じ規模の地震が周期性を持って繰り返し発生(固有地震的活動)することから、関東広域に甚大な被害をもたらした関東地震(震度6)は1923年、それから約100年は震度6以上の地震は東京都内では発生していません(関東地震の再来周期は,短くて220年から400年との見方あり/東京大学地震研究所)。

また、ニュースなどでよく取り上げられている南海トラフ巨大地震は、西日本の太平洋側沖合いで、これまで100年前後の間隔で巨大な地震が発生しており、前回の地震から80年近くが経過しているため、30年以内に70%~80%の地震発生の可能性を評価しています(政府地震対策本部)。

このように濃い赤色エリアでは、今後高い確率で地震が起きる可能性があることが分かります。

地震ハザードマップの見方、使い方で注意点すること

地震ハザードマップで、自分の地域が30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が低くても安心はできません。

なぜなら、阪神・淡路大震災(1995年1月)を引き起こした兵庫県南部地震(震度7)は、ほとんど地震が起こっていない場所(空白域)で生じています。

また地震を引き起こす活断層(過去にその地域で大規模な地震が発生した痕跡)があると思われていない場所で、地震が生じてからはじめて確認されており、ひとたび地震が起これば強い揺れに見舞われ、大きな被害を生じます。

仮にマグニチュード7程度の地震が、自分のいる場所の直下で起こった場合の震度の分布を示したマップが、防災情報のページ地震・津波対策の中に「ゆれやすさマップ」として示されています。

ゆれやすさマップ

出典:“首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告(平成25年12月19日公表)”より引用

ここからわかることは、同じ規模の地震でも、軟らかい地層に覆われた平野や盆地での揺れが大きくなっており、震度6強以上に達することが分かります。

地域ごとに「地盤のゆれやすさ」を確認する方法

これから住む、もしくは住まれている場所の「地盤のゆれやすさ」は、J-SHIS mapで調べることができます。

リンク先のスタートボタンを押して「J-SHIS map」を起動してみます。

赤枠の「表層地盤」のタグを押して、想定する地域に合わせて画面を拡大してください(右の図は東京に合わせて拡大しました)。

最初の画面で見てほしいのは、画面右下にあるグラフです。これは表層地盤増幅率を表しています。

表層地盤増幅率

地下深く地震が起きたとき、地表近く(表層地盤)の性質が地域によって異なるため、揺れの大きさが変化するため揺れの大きさを数値化したものです。

つまり地震の力を割り増しする係数であり、数値が大きいほど地盤は弱く揺れは大きくなります。

専門的には
J-SHISで扱う表層地盤増幅率は、地震波が工学的基盤上から地表に伝わる際における、速度波形の最大振幅(最大速度)の増幅度を指します。

例えば、上のグラフの数値が1.3(黄)の地点Aと2.6(茶)の地点Bがあったとします。他の条件が全て同じとすると、地震波(最大速度)を大きさは地点Aと比較して2倍あると考えることができます。

これらからも同じ規模の地震でも、軟らかい地層に覆われた平野や盆地での揺れが大きくなることが分かります。

結局、日本のどこに住もうとも被災する可能性があるという結論になってしまいますが、ここまで理解して頂いた上で、ブログで以下の2つを書いていきます。

専門家はどう考えているのか、様々な考えがあるのでそれを確認する。 

その考えを知りつつ、私たちにとって、どのような対策が必要かを考える。

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