マンション火災で火災発生!その後は?

火災被害

先日も、千葉県美浜区のマンション11階で火災が起き、火元の部屋に住む女性が煙を吸って手当てを受けました。

千葉県美浜区のマンション11階
NHK/千葉 美浜区 マンションの11階で火事

このようなマンション火災は全国で起きています。このマンション火災で大変なのが、その後の復旧です。

ここでは、あまり触れられない火災のその後について解説します。

マンション火災で火災発生!その後は?

火で家財が燃えてしまうだけでなく、消化活動で放水すれば、下の階まで水浸しになります。放水量は火災の大きさによって変えるようにしているみたいですが、それでも下の階への影響は逃れられません。

さらに、火や水による直接の被害はなかったとしても、煤(すす)による被害があります。

煤(すす)による被害
経新聞/パジャマで避難「怖かった」川崎市マンション火災

煤は燃えた際に発生する煙が原因となり、煙が通ったすべての部分に煤は付着します。

火災時の風向きによっては共用部や上階や隣のベランダなど、さらには近隣までが煤で汚染されてしまうということが多くあります。

マンション火災の復旧の流れ

燃えた家財や内装などの撤去

燃えがらの撤去は、まとめて産業廃棄物として業者に依頼することもできますが、その場合は費用が高額になりがちです。安く済ませるためには、処分について各自治体と調整していきます。

消防から発行される罹災証明があれば無料で処分できるものもありますが、とにかく細かく仕分け分別を行うことで受け入れてくれる処分場の選択肢を増やす必要があります。

地域によっては、火災残骸処理費用の補助金制度があり、行政が火災ゴミの処分費用を一部、または全額免除するという制度があります。

内装については、火災解体作業(解体届)が発生します。ボヤ程度でも天井まで煙が周った場合は、煤落としできないのでいずれにせよ解体が必要になります。解体した燃えがらは、安く処分するためには分別しなければなりません。

後で説明する火災保険には、残存物取片付け費用保険金を使うという手段もあります。

煤(すす)を落として消臭作業

火災の後に最も問題になるのが煤です。前途の通り自宅だけでなく周辺も含めた作業となります。

また、煤の匂いは強烈で、しっかり汚れを落とさなければ、消臭してもそこから新しく臭いが出てきてしまいます。消臭は、薬剤散布やオゾン燻蒸などで行います。

しかし、コンクリートで煤がしみ込んでしまった場合、表面の煤を落としてその上からコーティングをしてしまうことで臭いを封じ込めることになります。

火災でもコンクリートは大丈夫か?

基本的にコンクリートは火災に強い構造です。建物が火災を受けると1時間程度で約1000℃の高温にさらされます。

  • 300℃未満〜表面に煤がつく程度
  • 300〜600℃ピンク色に変色(水分やセメント水和物の脱水)
  • 600〜900℃灰白色に変色(水和物の分解)
  • 900〜1200℃淡黄色に変色
  • 1100~1200℃でコンクリートの融解
火災でもコンクリートは大丈夫か?
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コンクリートがこのような高温を受けた場合は、急激な乾燥や熱応力によってコンクリート表層にひび割れや剥離などの損傷や強度低下を引き起こすなどの劣化現象が生じます。

温度が高くなればなるほど、コンクリートの圧縮強度は低下し、500℃で常温時の約50%、800℃で約10%程度となります。また600℃以上では鉄筋の強度が低下し、火災を受けた鉄筋コンクリート部材は耐力が低下することになります。

ただし、コンクリート中の鉄筋の引張強度は600℃程度までなら冷却後は回復します。

一般的な1時間から3時間程度の火災に対しては、構造物の崩壊などの重大な損傷には至らず、火災後、適切な診断に基づいて補修・補強することにより復旧することが可能です。

火災保険でどこまで保障できるか

基本的にマンションの購入と同時に火災保険に加入します。いわゆる「もらい火」では、自分が加入した火災保険で保障を受けることになります。

なぜなら失火責任法という法律があり、重過失がない限り、出火元に責任を負わせられないことになっているからです。つまり、類焼で被害を被った場合でも、自分の財産は自分で守らなければいけないということです。

また、火災保険には、相手が加入している火災保険の補償では十分ではない場合に支払われる「類焼損害補償」や相手に見舞金が支払われる「失火見舞費用」などを付加することもできます。

これらによって、近隣の住宅や家財に延焼してしまった場合に、法律上の損害賠償責任がなくても、近隣の住宅や家財を補償できます。

火災の火元になってしまった場合は、賠償責任がないとはいえ、迷惑をかけ損失を与えてしまったことには変わりありません。また、もし類焼などの実害がなかったとしても、誠意をもってお詫びの気持ちを示しておくことが必要になります。

何はともあれ、罹災証明書を発行してもらい、火災保険会社へ連絡がまずやるべきことになります。

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