地震より火災が怖い。木造住宅密集地域は要注意。

地震被害

過去に日本で起きた震度6以上の地震では、わずかな例外を除き、大規模火災が発生しています。

これを防ぐには事前に、危険な場所や箇所を知り、そこから火を広げないことが大切です。

地震より火災が怖い。木造住宅密集地域は要注意。

木造住宅密集地域

古い木造家屋が建ち並ぶ地域を「木造住宅密集地域」と呼び、東京、大阪、神奈川、京都などの大都市に広がっています。
木密地域では入り組んだ細い道路の左右に古い木造の建物が集まり、公園などの空間も少なく、地震時の建物倒壊や火災発生時の延焼拡大などの危険性が高くなっています。

木造住宅密集地域
参照:東京消防庁「木造住宅密集地域における震災対策の課題」より

阪神・淡路大震災により被害を受けた建物の多くは新耐震基準が導入された昭和56年以前に建てられたものであり、木造建築物が建て詰まっている地域で大規模火災が発生した点が指摘されています。

また、木密地域で発生した火災については道路閉塞等の影響で消防隊や消防団が火災発生場所まで到達するのに時間を要することや、到達できても倒壊家屋の影響で防火水槽が使用できなくなる等、消火活動が困難となることが予想されます。

火災の原因は「電気火災」と「通電火災」の2つ

総務省消防局の平成23年火災年報(別冊)によれば「東日本大震災での火災原因の約50%が「電気火災」によるもの」となっています。

また、阪神・淡路大震災では、原因が特定できた建物火災のうち、60%が「通電火災」でした。

電気火災
地震の火災、原因トップは電気(内閣府「感震ブレーカー等の普及啓発用のちらし」より)

電気火災の原因

電気火災の原因は、大きく3つのパターンがあります。

1. 電気系統の配線そのものや電気製品内の配線、タップへ差し込んだコンセントなどの接点に地震の揺れで負荷がかかり、加熱されて発火したり、断線して火花が飛んで出火する場合

2. 電気系統の断線部やコンセントなどの接点に、水が掛って短絡し、火花が飛んで出火する場合 3. 白熱灯や電気ヒーターなど熱を発する電気製品が倒れ、接触した布製品などから出火する場合

3. 白熱灯や電気ヒーターなど熱を発する電気製品が倒れ、接触した布製品などから出火する場合

通電火災の原因

通電火災というのは、地震の比較的すぐあとに停電が発生し、その後、通電が再開された際に起こる火災のことです。

原因は地震時の火災と同じですが、地震後の避難によって、通電が再開したときに家に人がいないことも原因となります。

通電再開時に在宅していれば、例えば火花の音がしたり臭いがしたり、火災が起きれば焦げ臭いといった気づくことができますが、そもそも在宅していないために火災が起きても知るすべがなく、被害が拡大します。 

火災を防ぐ方法

では大震災時に火災にどう備えればよいのでしょうか。

火災を防ぐ1番の方法は、地震があったらすぐにブレーカーを落とすことです。しかし、地震後にそのようなところまで気が回らないことが考えられます。

この対策としては、地震の振動で電気を遮断できる感震ブレーカーの設置が有効です。

感震ブレーカーは感震器で検知した地震信号が、設定以上の震度になった場合に配線用または漏電ブレーカーを遮断し、電気を自動遮断します。非常に効果的で、大がかりではないため費用も安価です。

感震ブレーカーには、「簡易タイプ」と呼ばれるものがあります。これはセンサーの代わりに、バネや重りが感震し、電気の遮断はブレーカーのスイッチを物理的に押して、ブレーカーを落とすというものです。本体価格は約2,000円~4,000円程度と非常に安価で、電気工事士による工事も不要になります。

簡易タイプ
分電盤タイプ後付型の感震ブレーカー(内閣府「感震ブレーカー等の普及啓発用のちらし」より)

高層マンションやビルにある防火設備は要注意

阪神・淡路大震災の時は、高層階のスプリンクラーの約8割が地震動のために使えなくなっていたことはあまり知られていません。

このように地震時には通常の防火装置が働かなくなる危険があります。

法律ではスプリンクラーに耐震性は要求されておらず、高層ビルの上階は揺れが大きいために故障する可能性が高くなります。

防火扉も地震で閉まらなくなる可能性があります。例えば阪神大震災で6階建てマンションの防火扉が閉まらず、火が回って亡くなった方がいました。

地震時の大規模火災になる3つの要素(まとめ)

消火しにくい環境

地震による家屋の倒壊や道路の損傷などにより、市民の消火活動や消防団の消火活動が困難

・倒壊家屋の中に閉じ込められて消火活動(バケツリレーなど)に参加できない

・断水に加えて消火栓なども損傷し消火用水が使えない

延焼しやすい環境

延焼を防止するための防火設備などが地震で破壊されてしまう、安全隣棟間隔が確保できなくなってしまう

・路上に倒れ込んだ家屋や路上に放置された自動車が延焼を広げる

・熱気流(火災竜巻)などで火源や火種が遠方まで運ばれる

・消防団等の活動が様々な理由で阻害され、火災を鎮圧することも制御することもできなくなる

出火しやすい環境

地震によって出火原因である「火源、着火物、経過」の3要素により、通常よりも火災があちらこちらで火災が多発する

・地震停電後の通電より火花が飛び引火する

・ガス管やガスボンベの破断で可燃ガスが噴出する

・逃げようとして石油ストーブなどが倒れたり、神棚のローソクがお供えの上に倒れこむ

次回は「火災被害マップ」の確認方法、震度6の火災被害、火災旋風、初期消火の重要性についてご説明します。

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