マリンスポーツが好きで湘南に住む方が多くいらっしゃいます。また、関東近郊からも週末になれば多くの人が訪れます。
しかし、実際に津波の怖さを知る人は少なく、高台に逃げれば大丈夫なんじゃないのという方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、2011年東日本大震災を考えれば、一度判断を間違えればあっという間に津波に飲み込まれてしまいます。
“百間は一見に如かず”という言葉があるように、たくさんの映像がYOUTUBEにアップされているので、それを確認してもし海で地震が起きた時に避難できるように考えておきましょう。
もし海で地震が起きたら(鎌倉・湘南の津波の影響はどのくらいか)
鎌倉市は、防災意識の啓発を目的とした津波シミュレーション動画を作成しています。鎌倉市民だけでなく、沿岸部に住む人も含め、津波に関する正しい知識を学べます。まずは是非ご覧ください。
津波の速さは想像以上
沿岸部から距離が近いと、津波に気づかないまま飲み込まれる可能性があります。
また、沿岸部から離れた場所でも、初めは少し浸水する程度かなと思っていても、あっという間に津波は大きくなります。
陸地に浸水した津波がひざよりも低い30センチぐらいの高さでも歩くことが困難になり、何かにしがみついていないと立てない状態になります。また高齢者や体が不自由な人は流される可能性もあります。
そして、浸水した津波が50センチぐらい、ひざを超えてくると成人でも流されてしまいます。さらに腰を超えて100センチに達すると、立つことがほぼできなくなり、車などの漂流物に当たって死亡する確率も高くなります。
車での避難はできない
避難は徒歩が原則です。 車での避難は渋滞も起こし、事故にもつながります。 渋滞中に津波が来て飲み込まれることが起こっています。
特に湘南地域では、車での避難は困難です。どう考えても大渋滞します。
津波が来た時、いかに避難行動を素早く取れるかが生死を左右します。また真冬に津波によって家や車に閉じ込められた場合、救助まで相当な時間がかかることも考えられ、その場合の備えも必要です。
津波の破壊力
津波が危険なのは海から陸に押し寄せる波だけではありません。押し寄せた波が海に戻る「引き波」でも、東日本大震災の時には多くの人や建物がのみ込まれる被害が出ました。引き波では漂流物が河川になだれ込み、加速しながら海に向かっていくために、より破壊力が増します。
また、東日本大震災で東北地方の複数の地域で「黒い津波」が確認されています。専門家の研究により、通常の津波よりも威力が増し、人体に影響を及ぼすこともわかってきました。
鎌倉・湘南の津波被害予想
1948年明応地震では、津波で大仏の殿舎が流出しました。大仏は海岸から800m以上離れており、標高は12~13mありました。
年表によれば、「津波が紀伊から房総の海岸を襲い、伊勢大湊で家屋流失1千戸、溺死5千、伊勢・志摩で溺死1万、静岡県志太郡で流死2万6千など」とあり、津波の被害が甚大であったことがわかります。
鎌倉市では、神奈川県が作成した津波浸水予測図を基に、避難所情報等を記載した「鎌倉市津波ハザードマップ」を公開しています。
また、相模湾全体の津波深度を確認するには「重ねるハザードマップ」があります。