大雨で土砂崩れ、崖崩れが頻発。その原因と対策。

土砂災害

全国には土砂災害の危険箇所が約52万ヶ所以上もあり、土砂災害は他人事ではありません。

土砂災害に巻き込まれた場合、他の自然災害と比べて助かる率が極めて低いです。土砂災害は専門家でも発生を的確に予測するのが難しい災害です。

この災害を理解し、危険が迫ったら迷わず安全確保の行動をとれるようしましょう。

大雨で土砂崩れ、崖崩れが頻発。その原因と対策。

今年も猛烈な雨により土砂災害が深刻化する傾向にあります。

土砂災害発生件数
図:国土交通省「土砂災害発生件数」より

そこで最近の土砂災害の特徴をみながら、その原因と対策を考えてみます。

土砂災害に巻き込まれると助かることは難しい

1967年から2008年までに起きた自然災害全体の犠牲者に占める土砂災害の割合は42パーセントで、現時点でも被害者の割合は大きく変わっていません。

土砂災害の割合
図:島根県「近年の土砂災害発生状況」より

自然災害の中で特に被害者が多いのが、洪水、河川などの水にまつわるものが45%前後となっています。

ただし、土砂災害に巻き込まれた場合は他の自然災害に比べて助かる可能性が極めて低くなっています。

ただし、土砂災害が起こる場所は限定的

静岡大学防災総合センターの牛山教授によれば、過去災害に遭遇した場所が公表されている土砂災害危険箇所の「範囲内」だった犠牲者は74%いました。

また、危険箇所から30メートル以内の「範囲近傍」は10%で、両方を合わせると85%に達しています。

土砂災害危険箇所
図:静岡大学防災総合センターの牛山教授発表資料

このように、土砂災害は予想もつかない場所で起きるのではなく、ほとんどの場合「起こる可能性が高い場所」で発生しています。
さらに、土砂災害の多くは避難が間に合わずに屋内で犠牲になるのも特徴です。

土砂災害は単独で発生することは少ない

土砂災害は、台風や大雨による河川の氾濫や地震など大きな災害に付随して起きることが多い災害です。

最近ニュースでよく聞く「非常に激しい雨」は、1時間に降る雨量が「50以上から80㎜未満」の雨のことです。

1時間に降る雨量
図:毎日新聞「50ミリの大雨って?」

滝のようにゴーゴーというほどに降る雨で、土砂災害の危険性が高まり、地域によっては避難の目安となる雨です。

一般的には一時間に降る雨量が30㎜以上となると土砂崩れの危険性が高まると言われています。次に土砂崩れに巻き込まれないための危険箇所の確認方法を見てみましょう。

土砂災害に巻き込まれないために

土砂災害の危険箇所を確認しよう

住民に土砂災害の危害が生じる恐れがある区域は「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」です。その中で特に生命に危害が及ぶ恐れがある区域は「特別警戒区域(レッドゾーン)」です。

「警戒区域(イエロー)」では市町村がハザードマップを作って、住民に危険区域と避難場所などを知らせ、危険が迫った際には避難する仕組みを作ることになっています。

また、「特別警戒区域(レッド)」では、新たに住宅や福祉施設などを建てるのを制限する一方、既に建てられている建物には擁壁を作るなどの安全対策を求めています。

お住まいの場所が土砂災害危険箇所かどうかの調べ方は以下をご覧ください。

土砂災害警戒情報に注意

土砂災害警戒情報」は、大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときに、市町村長の避難勧告や住民の自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報です。

大雨警報(土砂災害)の危険度分布

土砂災害が発生する危険性が高まったことを知らせる「土砂災害警戒情報」が出たら、避難など安全を確保する行動を始めてください。

大雨警報(土砂災害)の危険度分布
表:気象庁「大雨警報(土砂災害)の危険度分布の利活用」

国土交通省によると、全国には土砂災害の危険箇所が約52万5千ヶ所もあり、土砂災害は他人事ではありません。

土砂災害は専門家でも発生を的確に予測するのが難しい災害です。危険が迫ったら迷わず安全確保の行動をとることを徹底して下さい。

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