40代以上は住宅ローンする前に。住宅ローン破綻しないために考えること。

制度

コロナ窩の中、住宅ローンの返済猶予を利用されている方も多いと思います。しかし、特に40代以上の方の住宅ローン返済が滞り、最悪の結果として任意売却を選ばざる得ないケースを多く聞くようになっています。

住宅ローン破城しないために何を考えないといけないのか考えましょう。

40代以上は住宅ローンする前に。住宅ローン破綻しないために考えること。

まずは、TV番組でも取り上げられた人の状況を見てみましょう。

住宅ローンを組んだのは40歳、妻は専業主婦で子どもが2人で都内の賃貸マンションに住んでいました。賃貸で毎月15万払っているので、手狭になってきたこともあり都内の4,000万円の築浅中古マンションを購入しました。当時年収は800万円あり、金利が2%近くでも十分返済は可能でした。

その後、会社の業績悪化で年収800万から600万になりましたが、副業や妻のパートなどで200万円ほどは賄うことができ、世帯収入はキープできていました。

それから16年後、機械式駐車場を含むマンションの修繕費が値上がりし、固定資産・都市計画税などを含めると年間20万円近くとなっています。

そして57歳になった去年、コロナによる業績悪化がさらに加速し、かつリモートワークにも対応ができず役職は解かれ、年収は450万円となりました。さらに妻のパートの事務派遣も雇止めになり、貯金を崩しながらの住宅ローン返済となっていました。

長引くコロナ渦で、貯金も底をつき、消費者金融から借金して住宅ローンを返済していましたが、次第に返済が滞り、銀行から催促が来るようになります。結果、競売にかけられる前に専門家に相談して任意売却を選び、残り負債1000万円の支払いが残りました。

50代以降は特に注意する

住宅ローン破綻は50人に1人の割合と言われています。特に50~60代は住宅ローンの悪夢の世代と言われています。50代以上になると一気に病気やケガ、リストラなどによる失業、勤務先の業績悪化による収入減、転職、離婚、事業の失敗、親世代の介護、子どもの教育費など、様々な問題に直面します。

過去の日本は高度成長と終身雇用、会社に居れば、歳とともに給料は上がる奇跡の時代でした。さらに近年では、頭金ゼロでフルローンが組めるようになりましたが、破綻者の実に8割以上が頭金100万未満で住宅を購入して、結果としてオーバーローンとなっています。

オーバーローン
図:SUUMO「オーバーローンとは」

さらに、60代以降の破綻率は非常に高く、その内の約4割がボーナス払い設定していました。定年退職後はボーナスが出ないし、65歳以降の年金ではとても払えません。完済予定を70歳以上に設定している場合は特に危険です。

何がいけなかったのか?

このように身の丈に合わない住宅ローンとなってしまうケースが後を絶ちません。その背景には、史上最低水準といわれ続けている住宅ローン金利の低さや住宅ローン控除などの手厚い税制優遇などがあります。

まず住宅ローン破綻しないためにも、「借りられる金額」=「返せる金額」ではないことを肝に銘じておくことです。リスクもなく借りられるお金というのはありません。

退職金で完済できる余裕を持ったり、不足の事態に柔軟に対応できる予算と計画することなどが必要ですが、変化の激しい世の中に対応策や処方箋はありません。

特に持ち家の場合は、転職しようとしてもその圏内からは離れられないリスクもあります。

私自身は、金利の付く住宅ローンをわざわざ組んで、価値が下がる住宅を買うことの合理性はないと思っています。少しづつ貯金をして、60歳ぐらいで、その時点の健康リスク、親の介護状況などを考え、手元にある現金資産の中で買える範囲の住宅を購入することがベストだと思っています。

タイトルとURLをコピーしました