前回のブログでは、「なぜ、鬼怒川は氾濫したのか」を確認しました。まだご覧になっていない場合、そちらから見て頂けると今回の内容がより深く理解できると思います。
物件調査に入る前に、私が見る地図(ハザードマップ)を紹介!
物件調査に入る前に、私が見る地図を紹介します。
今昔マップ
土地の持つ潜在力を測る一つの指針が昔の土地の状況です。特に郊外で、物件所在地が畑なら良いですが、田んぼだったり,湿地帯や沼だったとなると、土地の地耐力に問題があります。つまり基礎に費用が掛かる可能性があるということ。
法で告知が求められている情報以外、不動産業者がすべての情報を積極的に開示すると言うは、期待できません。
例えば、豊洲駅の場合を見てみると、
左が大正6年、右が現在の地図です。100年前はほとんどまだできていませんね。
このような埋め立て地は地震による液状化の懸念などがあります。これは極端な例ですが、この「今昔マップ」で、昔の土地の状況を確認してから、調査する方が良いと思います。
ただし、旧河道などを判断したり、湿地帯や沼を判断したりするには多少の専門的な見方が必要になるので、もう少し分かりやすく確認したい場合は、国土地理院の「地形分類」が役に立ちます。
知りたい場所に合わせてクリックすれば、「土地の成り立ち」「この地形の災害リスク」が確認できます。
次に見るのが、検討物件の過去の災害履歴です。
土地分類基本調査(土地履歴調査)-国土政策局
同じく地理院地図から、過去の災害履歴が確認できます。
水害による浸水した箇所が年別に示されていたり、がけ崩れ箇所なども確認できます。
詳しい凡例については以下のリンクをご覧ください。
地震ハザードステーション
この地図で、「今後30年以内に大地震に遭う確率」が分かります。さらに、上のタグにある「表層地盤」をクリックすると、地震の揺れやすさも分かります。
ただし、分かっていない活断層がたくさんあると言われており、日本のどこでも地震は起こりうります。
なので、昔の土地の情報を知る事で、地盤の地耐力を予想したり、過去の災害履歴から、その土地のもつリスクを知ることの方が、ずっと大事だと思います。
実際、地震のリスクは、揺れによる被害よりも、台風や豪雨による河川決壊、津波による浸水、土地の液状化の方が被害は大きいのです。
これらのご紹介した内容は、すべてインターネットで得られる情報です。これらの情報から「住まいの災害リスク」を是非考えてください。