津波で浸水被害はどのくらい広がるか。ハザードマップで調べる。

ハザードマップの見方

地震によって引き起こされるのが津波です。東日本大震災では、逃げ遅れた人の多くが津波により命を落とす結果となりました。

人は非常事態に避難するという意思決定が難しくなるという心理的なものがあります(正常性バイアスという)。

しかし、東日本大震災で、ある地域の小中学生が高齢者や小さな子どもたちを助けつつ自主的に迅速に避難し、ほぼ全員が津波から逃れています。これは「釜石の奇跡」と言われており、この背景には「子供たちの津波防災教育」がありました。

まずは津波ハザードマップの見方をお伝えし、「釜石の奇跡」を参照して、津波からどのようにして身を守るのかを考えます。

津波で浸水被害はどのくらい広がるか。ハザードマップで調べる。

まずは、ハザードマップで津波浸水想定を見てみます。

左にある津波、津波浸水想定(凡例)、全国最新写真のボタンを押して場合の大阪湾付近を拡大したものが以下の図です。

大阪津波浸水想定

東京湾、伊勢湾(名古屋)、大阪湾を比べてみました。

津波浸水想定比較

東京湾に比べ、名古屋、大阪は内陸部まで津波の影響が及ぶことが分かります。

津波避難の三原則(釜石の奇跡)

東日本大震災において釜石市は壊滅的な被害を受けましたが、地域の小中学生は高齢者や小さな子どもたちを助けつつ自主的に迅速に避難し、ほぼ全員が無事でした。

これは「釜石の奇跡」と言われており、この背景には「子供たちの津波防災教育」がありました。

東北地方には古くから伝わる“津波てんでんこ”という言い伝えがあり、その新解釈として子どもたちが覚えやすい言葉で表現されたのが「津波避難の三原則」です。

この三原則は自然災害に対峙する主体的な「姿勢」についての原則になります。

津波避難の三原則(参考文献:「人が死なない防災」片田敏孝著より)

1.想定にとらわれるな

2.いかなる状況でも最善を尽くせ

3.率先避難者たれ

揺れがおさまった後、校庭で部活をしていた生徒たちが「津波が来るぞ!逃げろ!」と言って大声で叫びながら校舎に向かい、他の生徒たちもそれに続きました。

隣接する鵜住居小学校では子どもたちは校舎の3階に避難していましたが、日頃一緒に避難訓練をしていた中学生たちが一斉に避難する様子を見て中学生に続きました。

そして、無事に子どもたちは避難先に指定されていたグループホームに到着。しかし津波の様子を見た子どもたちが、さらに高台にある介護福祉施設に避難した方が良いと。

その避難をする途中、近隣の保育園から園児を避難させるのを手伝い、そのような様子を見た近隣の住民もそれにつられて避難を開始しました。

無事に全員が介護福祉施設に辿り着いたわずか数十秒後に津波は施設の目前まで迫りました。

このときの津波は釜石東中学校と鵜住居小学校の屋上をはるかに超えて、最初に避難したグループホームの3メートルの高さを超える津波が押し寄せていました。

釜石市の津波防災教育で子どもたちがまず教えられたのは「想定にとらわれるな」ということでした。

“津波はここまでしか来ない”といった与えられた情報を信じず、これ以上の対応はできないというぐらい行動することでした。

ハザードマップは私たちに危険を知らせてくれますが、その通りに災害は起こりません。実際、東日本大震災では想定外の大津波がやってきました。

想定にとらわれず、そのときの最善をつくしたからこそ、子どもたちは避難することができたのです。

さらに、校庭で部活をしていた生徒たちが「津波が来るぞ!逃げろ!」と始めに言うこと。これは大変勇気のいることです。

なぜなら、人はいざというときになかなか「逃げる」という決断ができません。自分のところは大丈夫だろうと自分に都合の良い解釈をして、その場に留まってしまうことがほとんどです。また、もし間違っていたらと思うと逃げたくなくなるでしょう。

でも、本当に災害が起こったとき、みんなが同じことを考えて逃げないでいると、みんなが同じように死んでしまいます。

いざというときには、まず自分が率先して避難すること。その姿を見て、他の人も避難するようになり、結果的に多くの人を救うことが可能になります。

神奈川県鎌倉市は大津波の確率が高い

鎌倉市は、防災意識の啓発を目的とした津波シミュレーション動画を作成しています。鎌倉市民だけでなく、沿岸部に住む人も含め、津波に関する正しい知識を学べます。是非ご覧ください。

政府・地震調査委員会は2020年1月24日、南海トラフで今後30年以内にマグニチュード8~9の巨大地震が発生し、沿岸部が3メートル以上の大津波に襲われる確率を初めて公表しました。

南海トラフの巨大地震で津波の影響が予想される東北から九州にかけての352市区町村について、沿岸部の波高を試算しています。

3m以上の津波高さ確率
https://www.jishin.go.jp/evaluation/tsunami_evaluatio

3メートル以上の津波になる確率が「非常に高い」と評価されたのは、静岡県沼津市や和歌山市、高知市など71市区町村(横須賀市の相模湾側、鎌倉、逗子の一部)。5メートル以上が「非常に高い」市町村は29だったが、10メートル以上が「非常に高い」はゼロでした。

ちなみに、3メートル以上の津波では、木造住宅が流される可能性が高いです。

地震調査委は今回の津波高評価とは別に、南海トラフの地震発生確率も公表しており、30年以内で70~80%(2020年1月1日時点)としています。

南海トラフ巨大地震とは

海のプレートが陸の下に沈み込む南海トラフでは、数百年間隔でマグニチュード8級の巨大地震が発生しています。

史上最大は、江戸時代中期の宝永地震(1707年、M8.6)。静岡県から高知県では地震後間もなく津波が来襲し、大被害をもたらしました。

1946年の昭和南海地震の津波は高知県沿岸で高さ4~6メートル。太平洋側の各地では、過去数千年間に繰り返した大津波の痕跡が地中から見つかっています。

次に台風によって引き起こされる高潮による被害を説明します。

津波の速さについては以下のブログをご覧ください。

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